平成24年03月15日 グアム遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)3/6

イベントリポート

Event Report

日本警察特殊部隊愛好会(JP-SWAT)

H&K USP セミ・オートマチック・ピストル

Heckler & Koch USP Semi-automatic pistol / Cartridge 9×19mm Parabellum

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲さて、ここからはみんな大好きHKピストル特集です。グロックだのキンバーだのは前菜に過ぎません。まずは昨日のGOSRでも実射したH&K USP。 えっ、なんで同じ銃をまた撃つのかって?

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▲それはUSPが我々にとって特別な銃であり、 我が国において国際連合直属の某特務機関や各都道府県警察の特殊急襲部隊(SAT)で制式採用され、それに倣うTeam JP-SWATの制式採用拳銃でもあるからです。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲TORIでレンタルしているUSPは、特徴的なステンレス製のシルバースライドを搭載しています。この組み合わせはハリウッド映画などでもよく目にしますね。 軍用拳銃として素っ気無いデザインのUSPですが、シルバースライドとポリマーフレームのコントラストが個性的な美しさを演出し、一味違った印象を与えます。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲今回は特殊急襲部隊(SAT)で使用しているUSPと同じく、オプションデバイスとしてITI社製のM2/UTL(ユニバーサル・タクティカル・ライト)を装着しました。 現在のようにピカティニーレールの装備が当たり前になる10年以上前でありながら、 USPは設計段階から逸早くフレーム先端下部にオプションデバイスの運用を想定したスロットレールを備え、ワンタッチでウェポンライトなどを装着できます。 しかし、このレールシステムはH&Kの独自規格であったことから装着可能なオプションデバイスはUTLのような専用設計のデバイスに限られます。

H&K USP セミ・オートマチック・ピストル

Heckler & Koch USP Semi-automatic pistol / Cartridge 9×19mm Parabellum


H&K USP45 Tactical セミ・オートマチック・ピストル

Heckler & Koch USP45 Tactical Semi-automatic pistol / Cartridge .45 ACP (11.43×23mm)

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▲続いて本日の本命のひとつでもあるH&K USP45 Tacticalです。その名のとおり、特殊作戦を担う対テロ特殊部隊や警察SWATなど、 タクティカルオペレーター向けのコンバットハンドガンで、基本設計はUSPシリーズを踏襲していますが最大の特徴はサプレッサーの装着に対応したスクリューがマズルに設けられている点です。

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▲今回レンタルした.45ACPカートリッジ準拠モデル(USP45 Tactical)のほか、.40S&Wカートリッジ(USP40 Tactical)、9x19mmカートリッジ(USP9 Tactical)に準拠した3種類のバリエーションが存在します。 サプレッサー装着時にサイティングに支障が生じないようサイトラインを確保するハイ・プロフィール・サイトシステムを標準装備、 さらに微調整が可能なフル・アジャスタブル・リアサイトやマッチグレード・トリガー、ローデッド・インジケーターなどを装備し、 スタンダードUSPとは一線を画した特殊部隊仕様となっています。

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▲米国で需要の高い.45ACPモデルは米国の警察SWATにおいて採用実績が多く、スタンダードカートリッジである9x19mmモデルは各国の対テロ特殊部隊や警察SWATでの需要が高いことから、 韓国のSWATである警察特攻隊(KNP-SWAT)や海洋警察庁の特攻隊(SSAT)などでUSP9 Tacticalが制式採用されています。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲USP45 TacticalのスロットレールにもITI社製M2/UTLを装着。オプションデバイスを装着したことでタクティカルな雰囲気が一層増しました。 USP Tacticalは常に近接戦闘の最先端を追求してきたH&Kが生み出した現代のコンバットハンドガンのひとつの完成形でもあります。 あとはサプレッサーがあれば文句なし!

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲バレル先端の緑色のOリングは、原型となったMark 23(SOCOM ピストル)から採用されたH&K独自のもので、射撃時にバレルとスライドを密着させて命中精度を向上させるために標準装備されています。 ただ、このOリングがあってもなくても射撃精度に与える実用上の差異は少ないようです。ちなみに、このOリングは、最新のHK45にも継承されています。 専用のマガジンは堅牢なスチール製で、.45ACPカートリッジに準拠したUSP45 Tacticalの場合は12発のマガジンキャパシティを有しています。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲それでは早速実射。今回はタクティカルトレーニングでも使用するため、ランヤードも併せて装着。 .45ACPカートリッジがズッシリ詰まったマガジンを本体へ挿入し、スライドをリリースして初弾を薬室へ送り込みます。

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▲デッコッキングレバーでハンマーをダウンした後、ホルスタードロウの直後にダブルアクションで射撃します。

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▲キレの良いマッチグレード・トリガーを絞ると、同じ.45ACPでも1911シリーズとは明らかに違うマイルドなリコイルが両腕に伝わります。 細身のグリップの1911が慣れないと手の中で暴れる感覚があるのに対して、極太のグリップを有するUSP45 Tacticalはグリッピングが楽で実に撃ち易い印象があります。

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▲続いてタクティカルコースで実射。

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▲サプレッサーの運用を前提とした大型のハイ・プロフィール・サイトシステムによって、照準は容易です。

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▲今回、日本から持っていったサイ・ホルスターは、サファリランド社製の#6004カイデックス・ホルスターです。 Team JP-SWATで採用していたスタンダードUSP+ITI M2/UTL対応のモデルで、グアムに来るまでUSP45 Tactical+ITI M2/UTLで使えるか不安だったのですが、 見事に何の問題もなくジャストフィットしました。

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▲スタンダードな9mmパラベラムに比べてリコイルの大きいことで知られている.45ACPカートリッジですが、 大型の本体を持つUSP45 Tacticalは何十発実射しても殆どストレスを感じず、撃っていて気持ちイイ銃です。

H&K USP45 Tactical セミ・オートマチック・ピストル

Heckler & Koch USP45 Tactical Semi-automatic pistol / Cartridge .45 ACP (11.43×23mm)


H&K Mark 23 オフェンシブ・ハンドガン

Heckler & Koch Mark 23 offensive handgun / Cartridge .45 ACP (11.43×23mm)

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▲最後に紹介するHKハンドガンは、日本でもゲームやトイガンなどの影響で知名度の高いH&K Mark 23です。 TORIでレンタルしているMark 23は、当然のことながら軍用モデルではなく、民間・法執行関係機関向けに米国市場で販売されているシビリアンモデルで、 軍用と民間用の最大の違いはスライドに示された刻印です。1996年の初期生産時の軍用モデルには全て大文字で“MARK 23”、その後の生産ロットの軍用モデルには“MK23 USSOCOM”と刻印されています。

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▲日本では“SOCOM(ソーコム)ピストル”として有名ですが、その名のとおり、Mark 23は1991年に米軍のUSSOCOM(U.S. Special Operations Commando:特殊作戦軍)が主導した 特殊作戦向け攻撃型拳銃の選定計画であるOHWS(Offensive Handgun Weapon System)への参加を契機に開発が開始されました。 この計画には国内外から数社の大手銃器メーカーが名乗りを上げましたが、H&Kは当時開発中であったUSPをベースにして、 米軍の提示した厳しい各種の要求項目(.45ACPカートリッジに準拠、装弾数10発以上の多弾数、サプレッサーの運用、高い耐久性と作動性等)を見事にクリアしたモデルを提出し、 最終的にはコルトなどの米国の名門銃器メーカーを打ち破り、1996年にMark 23 Mod 0の名称で米軍に制式採用されました。

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▲東京マルイのエアコッキングや固定ガスのMark 23を持っていたので、実銃を目の前にしても特に新鮮味はありませんでしたが、やっぱりデカイ…その一言に尽きます。 全長は昨日GOSRで実射したデザートイーグルに匹敵する245mmにも達し、重量は未装填のエンプティマガジン装着時でも約1.2kg以上(それでも軽量なポリマーフレームの採用によって 同スペックのメタルオートに比べれば格段に軽い)で、その存在感はピカイチです。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲先述したUSP45 Tactical(左)とMark 23(右)を並べて比較します。どちらも.45ACPカートリッジに準拠しており、マガジンキャパシティも同じ12発ながら、 全長の面ではやっぱりMark 23の方がデカイ…。USP45 Tacticalの銃身長が129mmなのに対して、Mark 23の銃身長は20mmも長い149mmで、 この長い銃身長も相まってMark 23は、25mの射距離で2インチ(51mm)とうマッチグレード・ピストルに匹敵する高い集弾性能を実現しています。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲スタンダードモデルのUSP(9x19mm)も並べて、USPファミリーの完成。完全に「大中小」の図式ですね。 ちなみにMk 23にも他のUSPシリーズと同様のオプションデバイス用のスロットレールが装備されていますが、他のUSPシリーズと異なり、 レール幅の規格が違うのでITI M2/UTLなどを装着することはできません。 Mark 23には開発当初から専用オプションデバイスであるLAM(レーザー・エイミング・モジュール)が用意されているほか、 後にITIがMark 23専用に開発したM4タクティカルライトを装着することができます。

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▲特殊部隊のために作られた正真正銘のオフェンシブハンドガン。一度は撃ってみたかったモデルです。

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▲まずはレーンで実射。USP45 Tacticalと同様、太目のグリップによって両手でのグリッピングは容易です。

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▲「ダンッ」という発射音と共に一瞬遅れて.45ACPの重たいリコイルが両腕に伝わります。スライドの全長が長く重いため、 スライドのストロークが多く、1911などに比べてスライドの動きは若干鈍いような気がします。

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▲続いてタクティカルコースでも実射。先述のUSP45 Tacticalと同じく、サプレッサーの運用を前提としているため、 Mark 23も通常のサイトより背の高いハイ・プロフィール・サイトシステムを搭載しています。 大型のサイトシステムに刻印された3点のホワイトドットによって、サイトピクチャーは非常に良好です。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲USP45 Tacticalと同じく、.45ACPカートリッジのリコイル自体は大きいのですが、重量のある大型の本体と太目のグリップが相まって撃ち味自体は非常にマイルドです。 ただ、USP45 Tacticalよりスライドが長く重たい分、Mark 23の方が若干リコイルが強いような気もしましたが、特に気になるような大差はありません。

2012年03月15日 グアム実弾射撃遠征2日目 TORI(Tactical Operation Range Inc)

▲Mark 23は、HKピストルの中でも最長のサイト・レディアス(照準線長)と長銃身のポリゴナル・ライフリング・バレルの組み合わせによって、 実用コンバットピストルでは最上級の射撃精度を誇ります。 当初のオフェンシブ・ハンドガン(攻撃型拳銃)のプロジェクトネームのとおり、セカンダリーウェポンというよりは、 拳銃を主体とした閉所空間におけるCQB(近接戦闘)向けのプライマリーウェポンと考えれば、この大きさや重さも苦になりません。

H&K Mark 23 オフェンシブ・ハンドガン

Heckler & Koch Mark 23 offensive handgun / Cartridge .45 ACP (11.43×23mm)


H&K USP / USP45 Tactical / Mark 23 / HK45

Heckler & Koch USP / USP45 Tactical / Mark 23 / HK45


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