平成25年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習(その3)

イベントリポート

Event Report

87式自走高射機関砲

Type 87 SPAAG (Self-Propelled Anti-Aircraft Gun)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲対空火力の部において登場した87式自走高射機関砲。74式戦車をベースとした車体に、2連装の大口径対空機関砲と目標を補足するための高性能レーダーシステム、 射撃統制装置などの各種コンピュータを搭載した日本版「ゲパルト自走対空砲」といった存在で、無限軌道の採用によって機甲部隊に随伴する能力があります。 自衛隊での略称は「87AW」、愛称は「スカイシューター」、またの名を「ガンタンク」あるいは「ハエ叩き」。

87式自走高射機関砲 エリコンKDA 35mm対空機関砲実弾射撃

Type 87 SPAAG (Self-Propelled Anti-Aircraft Gun) Oerlikon KDA 35mm Twin Cannon

▲35mm機関砲の実弾射撃。本来は低高度で侵入した対空目標への攻撃を目的とした装備ですが、 水平射撃で敵のAH(攻撃ヘリ)に見立てた地上目標への射撃を行います。大口径機関砲の威力は絶大です。


74式戦車

Type 74 MBT(Main Battle Tank)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲戦車火力の部で登場した74式戦車。戦後第二世代の国産戦車として800輌以上が生産され、現在に至るまで40年間近く全国で使用されてきた74式戦車ですが、 2010年に74式戦車の代替を視野に入れた軽量小型の10式戦車が制式採用されたことにより、年間40輌という猛スピードで退役が始まっています。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲昭和自衛隊の象徴的存在であり、その親しみすい流麗なシルエットからファンの多い74式戦車ですが、近い将来この総火演からその姿を消すことは確実です。 最新の10式戦車が普及するのはうれしいですけど、全国の駐屯地祭などでも空包射撃を披露して慣れ親しんだ74式戦車が退役するのは少し寂しいですね。

74式戦車 51口径 105mmライフル砲 L7A1 実弾射撃

Type 74 MBT Royal Ordnance L7A1 105mm rifled gun


90式戦車

Type 90 MBT(Main Battle Tank)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲74式戦車に次いで登場したのは戦後第三世代の国産戦車である90式戦車。44口径120mm滑腔砲、自動装填装置、自動目標追尾機能を備えた高性能射撃指揮装置、複合装甲の採用など、 欧米の第三世代主力戦車と比肩する性能を備え、総火演では戦車小隊で連携した走行間射撃、後進間射撃などを披露します。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲制式採用から現在までに約340輌が生産された90式戦車ですが、冷戦末期のソ連機甲部隊の北海道への着上陸侵攻を想定し、 主に北部方面隊に集中配備され、連戦終結後もこの状態は継続されました。 このため北海道以外では、富士教導団をはじめとした教育隊以外では目にすることができないレアな車両です。

90式戦車 ラインメタル社製 44口径120mm滑腔砲 実弾射撃

Type 90 MBT Rheinmetall 120mm smoothbore gun


10式戦車

Type 10 MBT(Main Battle Tank)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲戦車火力の最後を飾るのは、今回の総火演の目玉でもある最新鋭の10式戦車。昨年3月に戦車教導隊に配備されたばかりの国産第四世代戦車で、 昨年から総火演に初登場し、世界最高水準のスラローム走行間射撃などを披露。 今年はスラローム走行間射撃及び後退行進射撃に加えて、最新のC4I(指揮・統制・通信・コンピュータ・情報)ネットワークシステムを活用し、 4個戦車小隊内で敵情報を共有しながら同時に多目標へ攻撃を加える同時多目標射撃を初めて実施しました。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲日本製鋼所が生産する44口径120mm滑腔砲の実弾射撃を実施する10式戦車。 従来の90式戦車に搭載されていたラインメタル44口径120mm滑腔砲(ライセンス生産)よりも軽量化が図られながら、 10式戦車に最適化された新型弾薬の採用により、主砲の貫徹力は大幅に向上されています。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲10式戦車はパワーパックに世界で初めてHMT(油圧機械式無段変速機)を採用した実用戦車であり、従来の戦車では実現の難しかった後進時も前進時と同じ速度(70km/h)を 発揮することが可能です。新開発の水冷4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジンとの組み合わせによって機動能力が格段に進化しています。

10式戦車 44口径120mm滑腔砲 実弾射撃

Type 10 MBT Japan Steel Works 120mm smoothbore gun


第一空挺団空挺降下

1st Airborne Brigade

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲前段演習の最後を飾るのは中央即応集団(CRF)隷下の第一空挺団によるCH-47J大型輸送ヘリコプターからの自動索降下です。 ヘリから降下後、空挺隊員の備える落下傘は4秒後に自動的に開傘します。


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