
ボレーbolle
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ボレー X500 タクティカル ゴーグルbolle X500 Tactical Goggleフランスの大手アイウェアブランドであるbolle(ボレー)社製X500タクティカル・ゴーグルは、現代のタクティカル・ゴーグルを代表する製品のひとつだ。 タクティカル・ゴーグルの黎明期にあり、タクティカル・ユースの要求を満たす専用ゴーグルが市場に殆ど存在していなかった1990年代、 産業用・軍用保護ゴーグルやアスリート向けの高品質ゴーグルの製造を通じ、同社が長年にわたり培った技術を応用して設計されたX500は、現代のタクティカル・ゴーグルに必要とされる高い機能性を備えた先駆的なモデルだ。 広い視野角を確保し、視認性の高い大型のワイド型レンズには、耐衝撃性能に優れたポリカーボネート合成樹脂(エンジニアリング・プラスチック)製の高強度クリアレンズを採用。 2枚のレンズ間に空気層を設けた2重構造のサーマルレンズとなっており、温度差による結露発生を抑制する。 さらにレンズ外側には耐傷コーティング加工、内側には防曇コーティング加工が施され、サーマルレンズとフレーム上下に設けられた大型のベンチレーション用通気孔も相まって、湿度の高い極端な環境下においても常に良好な視界を着用者に提供する。 また、レンズはUVカット100%(400NM)の性能を誇り、太陽光線から発せられる有害な紫外線から眼球を保護する。 このほか、X500の特筆すべき点は、メガネ着用者の使用を予め想定していることだ。 メガネの柄が接するスポンジ部分には切り込みが設けられており、 幅広のワイド型レンズも相まって大型のメガネを着用したままでも問題なくゴーグルを使用できる。 市街地戦闘やCQB(近接戦闘)などの状況下において優れた防護性能や防曇性能を誇るなど、現代のタクティカル・ゴーグルに要求される基本性能を満たしたX500は、 販売開始から長年にわたって世界各国の軍・警察・法執行関係機関所属の幅広いタクティカル・オペレーターに愛用された。 | |
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▲1990年代にデザインされたタクティカル・ゴーグルとしては一般的な厚みのある大型フレーム、広視野のワイド型レンズを採用。 X500はメガネ着用者の使用を設計時から想定したモデルで、上下幅に余裕のあるフレーム内部構造により、比較的大型のメガネをかけた状態でもゴーグルを着用可能だ。 一方、ゴーグル本体が大きく嵩張るデザインのため、ヘルメットやNVD(暗視装置)をはじめとした各種ヘッドギアとの併用時に支障をきたす場合がある。 また、ライフルやサブ・マシンガンなどの射撃において、フィクスド・ストック(固定銃床)に頬付けする際、ゴーグルの下部フレームが銃床に干渉する場合もある。 特に照準線の低いオープン・サイトを用いた射撃時には、この影響を受けやすい。ただし、この問題はスコープやドット・サイトなど、オープン・サイトより視差の大きい光学照準器との併用で解決可能なため、致命的な欠点ではない。 これらのデメリットから2010年代以降にデザインされたタクティカル・アイウェアの多くは、メガネの併用を考慮しない薄型軽量のロープロファイル・デザインのゴーグルかグラス型が主流となり、対テロ特殊部隊など第一線級(Tier1)の戦術部隊が旧来の大型タクティカル・ゴーグルを使用する頻度は明らかに減っている。 しかし、現在でも“メガネの併用が可能な経済的かつ実用的タクティカル・ゴーグル”という市場需要は少なからず存在し、軍通常部隊や警察機動隊をはじめ、メガネ着用者が混在する第二線級以下(Tier2)の戦術部隊や民間のエアソフトガン・サバイバルゲーム愛好家などからは一定の支持を得ている。 | |
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▲顔面の密着するフェイスフォームは厚みがあり、クッション性に優れた合成スポンジ(ポリウレタンフォーム)を採用。 表面には“X500”と“bolle”のエンボス加工が施されている。 フレームの上下には、内部の空気を循環させるため、大型の通気孔が複数設けられており、優れた防曇能力を発揮。 フレームは軽量かつ柔軟性に優れたPVC(ポリ塩化ビニル)樹脂製で、メンテナンス性も高い。 なお、ポリウレタンフォームは特に加水分解による経年劣化が避けられず、使用後のゴーグルは汗や皮脂などの汚れと水分を落とし、直射日光と高温多湿な環境を避けた風通しの良い冷暗所で保管することが望ましい。 |
▲ガラスに比べて250倍以上の耐衝撃性能を有する1.5mm厚のポリカーボネート製高強度クリアレンズを採用。 2枚のレンズ間に空気層を設けた2重構造のサーマルレンズ(レンズ厚は合計で3mm)のため、レンズ内外の温度差から生じる結露を抑制し、防曇性能にも優れている。 100%のUVカット加工に加え、外側には耐傷コーティング、内側には防曇コーティングの加工が施されており、サーマルレンズの効果と相まって湿度の高い極端な状況下でも良好な視野を確保可能。 レンズはフレーム上部の2箇所に設けられた突起部とフレーム内の凹凸部に固定する方式で、予備レンズへの交換も容易な構造だ。 |
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▲伸縮性に優れた45mm幅ナイロン製のヘッドストラップは、長さ約72cmまで任意にサイズ調整可能であり、全長比率160%の拡張性を有しているため大型のバリスティック・ヘルメットなどとも併用可能である。 メガネ着用者の使用を予め想定したX500では、メガネの柄が接するフォーム部分に切り込みが設けられ、幅広のワイド型レンズも相まって大型のメガネを着用したままでも干渉しない構造だ。 | |
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▲標準で付属する“bolle”のホワイトロゴが施されたナイロン製ソフトポーチ。ポリカーボネート製レンズは耐衝撃性能に優れる一方、硬質ガラスに比べれば表面硬度は極端に柔らかく(鉛筆の硬度でHB程度)、例えスクラッチ・レジスタント加工が施されていても金属など鋭利な物体と接触すると表面には傷が入りやすい。 レンズ表面に生じた傷は着用者の光学的な視認性を妨げ、的確な状況判断能力の低下にも大きく影響する。これらのソフトポーチやハードケースは、傷に弱いゴーグルを運搬・保管する際の必須アイテムだ。 | |

▲1990年代後半、5.56x45mm NATO弾に準拠したH&K社製HK53A2アサルト・カービンを携行する米国カリフォルニア州サンフランシスコ市警察(SFPD)所属SWATチーム(Tactical Unit)のタクティカル・オペレーター。 HK53A2には光学照準器としてTrijicon社製リフレックス・サイト、イルミネーターとしてLaser Products(現SUREFIRE)社製M628ウェポン・ライトを装着し、 頭部にはバリスティック・フェイス・シールドの装着に対応したRBR社製F6コンバット・バリスティック・ヘルメットに加え、アイウェアとしてbolle社製X500タクティカル・ゴーグルを着用している。 タクティカル・ゴーグルの黎明期にあった1990年代、タクティカル・ゴーグルに必要とされる高い機能性とユーザビリティを備えて発売されたX500は、 長年にわたって世界各国の対テロ特殊部隊や警察SWATなど幅広いタクティカル・ユースにおいて採用された実績があり、タクティカル・ゴーグルの代名詞的な製品と言っても過言ではない。 X500を含む同社のタクティカル・ゴーグルは、我が国においても自衛隊の市街地戦闘訓練、各都道府県警察所属の銃器対策部隊や特殊急襲部隊(SAT)、 海上保安庁所属の特殊警備隊(SST)など幅広い機関において運用が確認されている。
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