平成22年5月16日 陸上自衛隊新発田駐屯地創設57周年記念行事(その2)

イベントリポート

Event Report

2010年5月16日 陸上自衛隊新発田駐屯地創設57周年記念行

▲立ち見のいいところは、式典中も会場を歩き回れることですね。スタンド席からは撮れない画が撮れます。

2010年5月16日 陸上自衛隊新発田駐屯地創設57周年記念行

▲観閲行進に備えて整列する車両。73式新小型トラックが120mm迫撃砲RTを牽引しています。

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▲グランド裏手の車両整備工場前には擬装網を施した高機動車が待機。

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▲その車両整備工場前で謎の武装集団を発見。バレないようにスニーキングします(笑)。

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▲武装集団は式典会場であるグラウンドの真裏に向かいます。

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▲隊員が手にする89式5.56mm小銃の弾倉には、脱落紛失防止用の吊り紐が装着されています。

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▲一部の隊員はサイホルスターを装着し、ミネベア社製の9mm拳銃(SIG SAUER P220)を携行しています。

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▲武装集団は新発田城三階櫓の城下に集合。自衛隊と城の組み合わせという面白い光景です。

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▲隊員は88式鉄帽と戦闘防弾チョッキ2型(改)を着用、両膝にはニーパッドを装着しています。

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▲隊員が携行しているのは豊和工業製の89式5.56mm小銃です。

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▲89式5.56mm小銃には弾倉が装着され、空包射撃用のブランクアダプターが銃口に装着されています。

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▲銃身に標準装備された二脚は取り外されており、弾倉には脱落防止用の吊り紐が装着されています。

9mm拳銃

9mm Pistol / SIG SAUER P220

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▲一部の隊員はプライマリーウェポンである小銃に加えて、セカンダリーウェポンとして9mm拳銃をサイホルスターで携行しています。 1982年に制式採用された9mm拳銃は、当時軍用大型自動拳銃として世界各国で高い定評のあったスイスのSIG(現SWISS ARMS)社製の SIG SAUER P220を新中央工業(現ミネベア)でライセンス生産したもので、陸海空の三自衛隊で主に個人用自衛火器として運用されています。 当初は小銃を携行しない無反動砲の砲手や幹部自衛官、警務隊など一部の隊員しか装備することのなかった9mm拳銃ですが、 テロとの戦いの重要性が増した9.11世界同時多発テロ以降、市街地戦闘訓練や海外派遣などが頻繁に行われるようになると、 普段拳銃を携行する機会のなかった一般の隊員でも9mm拳銃を携行する場面が増しました。

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▲9mm拳銃の原型であるSIG SAUER P220は、従来スイス軍が軍用拳銃として採用していたP210の発展改良モデルとして1976年に開発されました。 P210がシングルアクション方式の撃発機構を備えていたのに対し、P220は現代の軍用拳銃として主流のダブルアクションとシングルアクションの 両方で射撃が可能なコンベンショナル・ダブルアクション方式を採用し、素材についてもグリップフレームには切削性の高い軽合金、スライドはスチール版からの プレス加工方式を導入した結果、スチールブロックからの削り出しで生産されていたP210に比較して大幅に生産効率が向上しました。 戦後創設された自衛隊では、米軍から供与されたM1911コルトガバメントを11.4mm拳銃として制式採用していましたが、1978年から米軍では 当時NATO加盟国でスタンダードカートリッジとなっていた9mmパラベラム弾に準拠した新型軍用拳銃の選定計画を発表(長期間のトライアルの結果、 1985年にベレッタ社製モデル92Fを制式採用)したことから、1979年から1980年までの間に自衛隊でも9mm口径の新型拳銃の選定が行われました。 当初、新中央工業製(現ミネベア)の国産自動式拳銃であるM57A1、ベルギーのFNハースタル社製ブローニング・ハイパワー、そして西ドイツのSIG SAUER社製 P220などがトライアルに参加。最終的にP220の採用が決定し、1982年に部隊使用承認を受け、配備が開始されました。 採用当時、世界的に見ても最新の軍用拳銃であったP220ですが、自衛隊での採用から数年後には米軍の新型拳銃トライアルの要求性能を満たすために急遽開発されたP220の 発展改良モデルであるP226が登場しました。基本的なデザインや撃発機構はP220を踏襲しながら、シングルカラムマガジン(装弾数9発)から 装弾数の多いダブルカラムマガジン(装弾数15発)を採用、マガジンキャッチボタンもグリップ底部から片手で操作可能なようにグリップ側面に変更されるなど、 より実戦的な改良が施されました。 自衛隊では9mm拳銃としてP220を採用してから既に30年以上が経過し、一部の機種は既に耐用年数を迎えて順次減耗廃棄となっています。 一部マニアの間では次期新型9mm拳銃の採用計画もそろそろあるのではないかと噂されていますが、近年になっても減耗した補充分のP220の再生産が続いており、 当分の間はP220を使用し続けるようです。

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▲隊員が太股に装着しているサイホルスターは、米国サファリランド社製の看板商品である#6004シリーズカイデックスホルスターです。 アメリカに本社を置くサファリランド社は、ポリスオフィサー用レザーホルスターや各種競技用ホルスター、 そして 各国のスペシャルフォースに使用される高性能なタクティカルホルスターをはじめとしたデューティーギア、 その他政府機関や特殊部隊で使用される高性能ボディーアーマーなどを製造する会社として有名です。 2000年代以降、サファリランドのホルスターと言えば、既に説明の不要なほどに世界各国の軍・警察・政府機関等のタクティカルユースに浸透し、 多くのバトルプルーフを蓄積した信頼と実績あるタクティカルギアとなっています。 #6004シリーズに代表されるサファリランドのホルスターは、北米の約70%近い法執行関係機関のオフィサーが採用し、 警察SWAT(特殊火器戦術部隊)の始祖であるLAPD(ロサンゼルス市警察)SWATでは標準装備のタクティカルホルスターとなっています。 我が国でも海上保安庁所属のSST(Special Security Team:特殊警備隊)や海上自衛隊所属のSBU(Special Boarding Unit:特別警備隊)などの 対テロ特殊部隊において、同社の#6004シリーズの使用が確認されています。 #6004シリーズの大きな特徴のひとつとして銃の高い保持携行能力が挙げられます。 これはホルスター本体に従来のホルスターに多様されてきたナイロン素材を一切使用せず、 カイデックス(アクリル変性高衝撃塩化ビニール)と呼ばれる耐久性・耐水性・耐熱性に優れた硬いシンセティック素材を サファリランド独自の製法で加工したことによって得られるものです。 このため、ホルスター本体加工の際にユーザーが使用する銃が隙間無くピッタリと合致するように成型されるため、 例えばベレッタ92用やグロック17用といった様に指定以外の銃の格納ができず、従来主流であったナイロンホルスター のように他機種との互換性が全く無いのも特徴の一つです。

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▲こちらの隊員が携行する89式5.56mm小銃には、三点式スリングが装着されています。

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▲観閲行進の準備のため、乗車を開始する隊員。

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▲偵察用オートバイを操る偵察隊も乗車準備完了。

観閲行進

Inspection Parade

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▲音楽隊が先頭になり、観閲行進が開始されました。

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▲観閲行進中の観閲部隊。

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▲観閲行進のフィナーレには、ヘリコプター7機による編隊飛行が会場上空を通過しました。

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▲編隊の先頭はUH-1J多用途ヘリ、続いてAH-1S対戦車ヘリ、OH-6D観測ヘリ、UH-60JA多用途ヘリ、CH-47J大型輸送ヘリ、 最後尾は航空自衛隊新潟分屯基地新潟救難隊所属の救難機であるUH-60Jです。

徒手格闘訓練

Close Combat Training

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▲冒頭でスニーキングした武装集団は、この訓練展示のための部隊でした。

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▲小銃を構えて照準を付けている状況で、その隙に敵が真横から迫り、小銃の奪取を試みます。

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▲すぐさま小銃から敵の手を振り解き、地面に投げ飛ばします。

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▲続いて敵役に背後から拳銃を後頭部に突き付けられた状況。まずは素直に小銃を地面に置いて両手を上げ、抵抗する意思が全くないことを示すことで 敵を油断させ、反撃の挙に転じるチャンスを待ちます。

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▲敵が注意を逸らし、一瞬の隙が生じた瞬間に振り返り、直ちに敵の拳銃の射線を自分から外します。

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▲射線を外した後、すぐさま関節技を駆使して拳銃を把持している敵の腕を封じ、拳銃を奪取します。

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▲一定の間合いをとりながら、奪取した拳銃で敵を威嚇制圧します。

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▲最後はナイフを把持した敵に素手で対抗します。敵の刺突を制して瞬時にかわします。

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▲敵の腕を制したまま投げ技をお見舞いし、制圧完了。

儀仗隊

Honor Guard Drill Team

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▲続いて音楽隊の演奏に合わせて、儀仗隊のドリルが披露されます。

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▲一糸乱れぬドリル。ウェーブのように銃を空中に放り投げ、見事にキャッチ。見てる方もドキドキします。

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▲手にしたM1ガーランドライフルは、新品かと見間違えるほどピカピカに輝いています。

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▲サーベルがかっこいいですね。

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