平成25年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習(その2)

イベントリポート

Event Report

120mm迫撃砲RT

Mortier 120mm Raye Tracte Modele F1

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲長距離火力に続き、中距離火力の主力である迫撃砲の披露です。 高機動車(重迫牽引車)に牽引されてきた120mm迫撃砲RT。 120mm迫撃砲RTは元々フランス製で、平成4年度から従来運用してきた107mm迫撃砲の後継として豊和工業がライセンス生産を開始しました。 調達価格は資機材一式で約3,400万円。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲ 通常弾で約8,100m、ロケットモーター搭載の噴進弾の場合は約13,000mの最大射程を誇り、陸自の普通科部隊が運用する火砲では射程・威力ともに最大級です。 一般公募による愛称は「ヘヴィハンマー」。

L16 81mm迫撃砲

L16 81mm mortar

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲81mm迫撃砲 L16は元々イギリス製で、国産の64式81mm迫撃砲の後継として平成4年度からライセンス生産されています。 重量38kgと同クラスの迫撃砲の中では格段に軽量であり、小型で主要パーツの分解・組立てが可能なため、少人数での運搬・運用が可能となっています。 最大射程は約5,600mを誇り、曲射弾道を描く迫撃砲の特性上、山岳地帯が多く高低差の大きい日本のような地形環境では山越しに砲撃でき非常に有用な攻撃手段のひとつで、 普通科中隊の主力火力です。ちなみに調達価格は資機材一式で約1,000万円ほど。

L16 81mm迫撃砲・120mm迫撃砲RT

L16 81mm mortar / Mortier 120mm Raye Tracte Modele F1


2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲火砲に続き、中距離火力・誘導弾の部が始まります。

96式多目的誘導弾システム

Kawasaki Type 96 MPMS(Multi-Purpose Missile System)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲中距離火力の部において登場した96式多目的誘導弾システム。 79式対舟艇対戦車誘導弾(重MAT)の後継として開発された対舟艇・対戦車目標向けの多目的ミサイル発射システムで、 最新の光ファイバーケーブルによる有線誘導TVM(Track Via Missile)赤外線画像誘導方式を採用している点が最大の特徴です。 1個射撃分隊に必要な周辺資機材を全て含めると27億円に達する高額な調達費から、全ての重MATを更新することができなくなったため、 普通科部隊で運用している重MAT及び中MAT(87式対戦車誘導弾)は、平成23年度から新規配備の始まった中距離多目的誘導弾(MMPM)で更新することになっています。 96式の製造は川崎重工業が行い、ミサイル1発あたりの価格は約5,000万円。自衛隊内での略称は「MPMS」、愛称は「96マルチ」。

中距離多目的誘導弾

Kawasaki MMPM(Middle range Multi-Purpose missile)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲中距離多目的誘導弾(MMPM)は、87式対戦車誘導弾(中MAT)の後継として開発された多目的ミサイルシステムです。 96式多目的誘導弾システム(MPMS)によって79式対舟艇対戦車誘導弾(重MAT)を更新する予定でしたが、上記のとおり高額な調達費が問題となって全ての重MATを 更新することができなくなったため、重MAT及び中MATを一括して更新することを視野に入れて開発されたのがこのMMPMです。 MPMSの高額な調達費の要因となった車両6輌で1個射撃分隊という複雑な構成を改め、MMPMは高機動車にミサイル発射機、誘導装置、自己評価装置など必要なシステムを集約し、 1輌で自己完結した運用が可能となっています。 さらにMPMSのように制式化ではなく、長期間にわたって安価な民生部品を多用することの容易な部隊使用承認にすることで、1輌あたりの調達費は約4億1,000万円にまで抑えられました。 ミサイルは赤外線画像及びセミアクティブ・レーザー・ホーミング(SALH)の2種類の光波ホーミング誘導を併用した第三世代誘導方式を採用しており、 1秒間隔の連続射撃能力と発射地点からの早期離脱が可能なファイア&フォゲット(撃ち放し)能力を備えています。 また、多目的誘導弾の名称のとおり、従来の対戦車戦闘だけでなく、非装甲車両や上陸舟艇、建造物に対する攻撃も前提として設計され、 自己完結性及び機動性と相まって柔軟な運用が可能となっています。

87式対戦車誘導弾・中距離多目的誘導弾・96式多目的誘導弾システム

Type 87 Chu-MAT / MMPM / Type 96 MPMS


CH-47J 大型輸送ヘリコプター

Kawasaki CH-47J Chinook heavy-lift helicopter

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲続いて近距離火力・普通化火力の部。地上部隊が登場したCH-47J大型輸送ヘリが飛来してきました。

ファストロープ降下

FRIES(Fast Rope Insertion Extraction System)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲HRSTオペレーション実施のため降下するCH-47J大型輸送ヘリコプター。 HRST(Helicopter Rope Suspension Technique)とは、山間部など起伏の激しい地形や都市部(主に市街地戦闘や対テロ作戦)においてヘリコプターの降着できない戦術的状況で使用される ロープ・サスペンション・テクニックとメソッドを意味する軍事用語で、ラペリング降下、ファストロープ降下、そしてSPIE(Special Patrol Insertion/Extraction)オペレーション、 ラダーオペレーションなどが代表的なテクニックとして含まれます。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲HRSTオペレーションの一種であるFRIES(Fast Rope Insertion Extraction System)、ファストロープ降下によりCH-47Jの後部ランプから完全武装の隊員が次々と地上に向けて降下します。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲専用の降下用器具を介するラペリング(アブセイリング)降下に比べて、 ロープに掴まるだけで器具を介さないファストロープ降下は短時間に多数の隊員を地上に降下展開させることが可能ですが、 その反面、重装備でロープを保持するだけの体力を有することや高度な降下技能と反復訓練が必須であり、降下中に墜落する危険性も高いというデメリットがあります。 なお、ファストロープに使用されるロープは、ヘリのローターが生み出す強烈なダウンウォッシュの風圧でも動揺しないよう一般的に直径40mm以上の太さが必要とされます。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲地上に降下した隊員は、速やかに降着地点から離脱します。

エキストラクションロープ離脱

SPIE(Special Patrol Insertion/Extraction)operation

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲ファストロープで隊員を降下させたCH-47Jが会場上空を180度旋回して再び飛来。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲HRSTオペレーションの一種であるSPIE(Special Patrol Insertion/Extraction)、エキストラクションロープ離脱を実施するため、 CH-47Jの機上からピックアップ用ロープが地上に垂らされます。SPIEは主に敵支配地域に潜入した偵察部隊の回収やヘリの降着機能のない水上艦艇などから 人員を回収することを目的としたロープ・サスペンション・テクニックで、状況によっては人員の離脱だけでなく投入にも使用されます。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲地上部隊員は速やかにピックアップ用ロープにハーネスを結着、安全確認後、ヘリに向けて合図を送ります。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲ヘリは一気に上昇し、ピックアップ用ロープに結着された隊員を迅速に離脱・回収することができます。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲迅速な回収が可能な反面、格好の標的になりやすいことから、隊員は地上の全方位を警戒しています。

ファストロープ降下・エキストラクションロープ離脱

Helicopter Rope Suspension Technique(FRIES / SPIE)


01式軽対戦車誘導弾

Kawasaki Type 01 LMAT

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲2001年から配備が開始された01式軽対戦車誘導弾は84mm無反動砲の後継として配備が進んでいる国産の個人携行式対戦車ミサイルです。自衛隊での略称は「LMAT」、愛称は「ラット」。 車両のエンジンなど目標の熱源を識別してミサイルを誘導する赤外線画像誘導方式を採用し、 従来のミサイルのように目標命中まで誘導し続ける必要のないファイア&フォゲット(撃ち放し)能力を備えているため、 射撃実施後は射撃地点から速やかに離脱することが可能です。 川崎重工業が製造を行い、調達価格は1基あたり約2,600万円。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲二重成形炸薬弾頭に加え、攻撃に際して装甲車両の弱点である装甲の薄い上面を攻撃するダイブモード(トップアタック)と低伸弾道モード(ダイレクトヒット)を選択することができ、 最新の装甲を備える現代の主力戦車を撃破するのに十分な能力を備えています。同様の性格を有する米国のジャベリン対戦車ミサイル(FGM-148)など 諸外国の個人携行式対戦車ミサイルと比べても、ミサイル発射時の射手に対するバックブラスト(後方爆風)の負担が少なく、バンカーや車上などからも容易に運用可能なのも特徴。 今回の総火演での展示のように軽装甲機動車との組み合わせにより、機動性の高い対戦車火力運用が可能となっています。 最大有効射程は非公表ですが、毎年の実弾射撃展示では1,000m遠方の固定目標に対してミサイルを見事命中させています。

01式軽対戦車誘導弾 実弾射撃

Kawasaki Type 01 LMAT


対人狙撃銃

M24 SWS(Sniper Weapon System)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲陸上自衛隊では平成14年度から対人狙撃銃の名称で米国の主要銃器メーカーであるレミントン・アームズ社製のボルトアクション・スナイパーライフル M24 SWS(Sniper Weapon System)をFMS(対外有償軍事援助)で導入しています。 従来、陸上自衛隊では64式7.62mm小銃に専用の照準眼鏡(スコープ)を装着して簡易的な狙撃銃として運用してきましたが、 64式7.62mm小銃の減数や2000年代以降に重視 されるようになった対テロ・対ゲリラコマンド作戦における本格的な狙撃任務には適さなくなったため、 本銃が選定導入されました。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲調達価格は対人狙撃銃本体や照準眼鏡(リューポルド社製のMark 4 LR/T 10x40mm M3モデル)、二脚(ハリス社製バイボッド)、運用に必要なメンテナンス・クリーニングキット、 ペリカン製の大型ハードガンケースなど狙撃任務に必要な周辺パーツがセットにって約60万円となっています。 野戦活動が主となる軍隊系の狙撃手にとって敵からの被発見率を極力低減させることは死活問題であり、ギリースーツなどの擬装網の着用は無論、 人工物の輪郭が目立つ狙撃銃に擬装を施すことは必須です。対人狙撃銃の導入当初、内部規定等の問題で簡単には官給品である銃に迷彩塗装を施せなかったようですが、 全国に設置された狙撃班の重要性が増し、今回のように迷彩塗装を施した対人狙撃銃も登場するようになりました。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲陸上自衛隊には対人狙撃銃に導入に伴って、全国の普通科連隊に定員6名から成る狙撃班が創設されました。 狙撃班は諸外国の軍・警察所属のスナイパーユニットと同じく、 射手(スナイパー)と観測手(スポッター)の二人一組で構成され、 状況に応じてギリースーツを含む隠密行動用戦闘装着セットを装着して擬装します。 観測手は射距離や風速等の環境観測を行い、狙撃手に対して狙撃に必要な情報を与え、目標や弾着の観測、戦果確認、狙撃手の援護・護衛など狙撃手をサポートするため、 多種多様な任務を兼務し、状況によっては観測手が狙撃を行う場合もあります。 今回はギリースーツを着用した射手と観測手で狙撃を実施しました。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲今回の射撃展示では、約500m遠方に設置された車両内の人像標的の頭部を見事に撃ち抜きました。

対人狙撃銃 実弾射撃

M24 SWS(Sniper Weapon System)


96式装輪装甲車

Komatsu Type 96 APC(Armored Personnel Carrier)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲事実上陸自初の運用配備となる装輪式のAPC(装甲兵員輸送車)である96式装輪装甲車。愛称はクーガー。 長年運用してきた装軌式の73式装甲車の後継として小松製作所が設計開発・製造を請け負い1996年より主に普通科 部隊を中心に配備を開始。 車重は約14.5tで整地上での最高速度は約100km/h、乗員数は計10名でクルー2名に 加えて後部兵員輸送室に8名の兵員を収納することが可能です。 兵員輸送室に当たる車体後部側面には左右2枚 づつ計4枚の外部視察用の防弾ガラスが装備されていますが、通常装甲に比較しての防弾ガラスの脆弱性は言うに及ばず、 実戦での運用を考えると正直微妙なところ。武装は40mmグレネードを連続発射可能な96式40mm自動てき弾銃を装備するA型と12.7mm重機関銃を装備するB型とで異なります。

12.7mm重機関銃M2

M2 Browning .50 Caliber HMG(Heavy Machine Gun)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲12.7mm重機関銃M2を装備するB型の96式装輪装甲車。12.7mm重機関銃を装備したB型は主に機甲科と中央即応集団(CRF)に配備されています。 米国で80年以上前に開発され、その高い信頼性と50口径弾薬の威力の高さから長年にわたり世界各国で運用されてきた傑作ヘビーマシンガンであるブローニングM2重機関銃は、 日本では1984年から住友重機械工業がライセンス生産を行っており、陸海空の三自衛隊の他、海上保安庁でも13mm機銃の名称で巡視船において運用されています。

12.7mm重機関銃 実弾射撃

M2 Browning .50 Caliber HMG(Heavy Machine Gun)


96式40mm自動てき弾銃

Howa Type 96 AGL(Automatic Grenade Launcher)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲96式40mm自動てき弾銃を装備するA型の96式装輪装甲車。96式40mm自動てき弾銃を装備したA型は主に普通科部隊に配備されています。 96式40mm自動てき弾銃は、国産の40mmオートマチック・グレネード・ランチャーで、89式5.56mm小銃などと同じ豊和工業によって製造され、 基本的には96式装輪装甲車などに車載して運用しますが、三脚架に設置して地上運用することも可能です。運用弾種は成形炸薬弾頭の多目的榴弾。

96式40mm自動てき弾銃 実弾射撃

Howa Type 96 AGL(Automatic Grenade Launcher)


小銃小隊下車戦闘

Infantry battle

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲96式装輪装甲車に乗車した小銃小隊が下車戦闘を実施します。

89式5.56mm小銃 実弾射撃

Howa Type 89 Assault Rifle


06式小銃てき弾

Type 06 rifle grenade

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲89式5.56mm小銃の銃口に装着された国産の22mmライフルグレネードである06式小銃てき弾(模擬弾)。 製造は空調・化学品の最大手であるダイキン工業。 89式5.56mm小銃と64式7.62mm小銃の銃口部に装着し、 小銃の実弾を用いて発射する弾丸トラップ式のライフルグレネードで、最大射程は約400mと推測されています。

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲米軍をはじめとした欧米各国では、M203グレネードランチャーのようなアドオン式グレネードランチャーが主流ですが、 この方式は小銃に発射機を常時装着する必要があり、てき弾射手が固定されるというデメリットに加え、射程や命中精度、不発率、運用上の安全性などを総合的に鑑みて、 あえて自衛隊ではライフルグレネードを採用した経緯があります。なお、弾種はHEAT(成形炸薬弾)と榴弾が用意されているとされています。

06式小銃てき弾 実弾射撃

Type 06 rifle grenade


110mm個人携帯対戦車弾

110mm LAM(Light-weight Anti-tank Munition)

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲110mm個人携帯対戦車弾は “Light-weight Anti-tank Munition”の頭文字をなぞってLAMの略称で呼ばれています。 元々はドイツ連邦軍が1990年代初頭に制式採用した無誘導のロケット噴進弾を肩撃ちで発射する軽便な対戦車火器で愛称は“パンツァーファウスト3”、 さしずめ西側版のRPG-7といったところでしょうか。後述の汎用性の利くカールグスタフとは異なり、照準器以外の発射筒は一回ポッキリの使い捨て式で、 セットされている弾種も対戦車榴弾のみと、運用的には装甲目標を相手にした純粋な対戦車火器という存在。 有効射程は固定目標で約400m、移動目標に対しては約300m。 面白いことに使い捨て式であることから自衛隊ではLAMが火器扱いではなく、消耗品の弾薬扱いになっていることです。 本家ダイナマイト・ノーベル社製以外に、日本では世界で唯一IHIエアロスペース(旧日産自動車宇宙航空部門)によってライセンス生産されています。

84mm無反動砲 M2

Carl Gustav M2 recoilless rifle

2013年8月22日 陸上自衛隊 平成25年度富士総合火力演習

▲個人携行が可能な最大の火力のひとつである84mm無反動砲カールグスタフM2またの名を “カール君”。 元々は60年以上前に北欧スウェーデンにて開発された個人運用可能な肩撃ち式の携行無反動砲で、 後に軽量化などの改良が施され現在では米軍をはじめとしてNATO加盟各国にて制式採用されている軽量火砲の傑作モデルのひとつです。 自衛隊では1979年から輸入を開始し、後に89式小銃などの製造を請け負う豊和工業がライセンス生産を行い現在でも陸自の普通科や施設科などに現行装備されています。 カールグスタフは他の多くの使い捨て携行対戦車火器と異なり、発射筒自体は何度でも使い回せるため任務の用途に応じて様々な弾種を使い分けることが可能なのが特徴のひとつです。 自衛隊では榴弾・対戦車榴弾・照明弾・発煙弾の4種類を運用しており、本来の対戦車任務に限らず多目的な運用が可能となっています。 ちなみに榴弾を射出した場合の有効射程は約1,000m。調達価格は約1,000万円。 自衛隊では平成24年度からカールグスタフM2の改良モデル(複合材料等の採用による軽量化)であるカールグスタフM3を84mm無反動砲(B)として制式採用しています。

84mm無反動砲 / 110mm個人携帯対戦車弾 実弾射撃

Carl Gustav M2 & Panzerfaust 3

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